
コラムCOLUMN
睡眠時無呼吸症候群の軽症・中等症・重症の判断基準と治療法の違いを徹底解説

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは何か?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に繰り返し呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。十分な睡眠時間を確保していても熟睡できず、日中の強い眠気・集中力低下・朝の頭痛などを引き起こします。
SASの中で最も多いのが閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)です。睡眠中に舌根や軟口蓋が気道を塞ぐことで呼吸が妨げられます。肥満の方・下顎が小さい方・首が短い方は解剖学的に気道が閉塞しやすく、リスクが高いとされています。
もう1つのタイプが中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)で、呼吸中枢のリズム調節の問題によって起こります。心不全や脳卒中後の患者に多く見られます。本記事では、患者数の多い閉塞性(OSA)を中心に解説します。
SASを放置すると、高血圧・心房細動・虚血性心疾患・2型糖尿病・脳卒中など多くの生活習慣病との関連が指摘されています。早期診断・早期治療が健康リスク管理の上で非常に重要です。
RYU矯正歯科クリニック郡山プレミア
ご自身の睡眠の状態が気になっていませんか?
睡眠時無呼吸症候群は重症度によって適した治療が異なり、まずは医科での検査・診断が大切です。歯科的な選択肢についてもご相談ください。
SASの重症度はどのように判断するのか?―AHIの見方
SASの重症度は「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という指標で判定します。AHIとは、睡眠1時間あたりに起こる無呼吸(10秒以上の呼吸停止)と低呼吸(換気量の明らかな低下+酸素飽和度3〜4%以上の低下または覚醒)の合計回数を示す数値です。
「SASの診療ガイドライン2020」(南江堂、2020年)によると、重症度は以下のように分類されます。
- 軽症:AHI 5以上15未満…1時間に5〜14回の無呼吸・低呼吸が起きている状態
- 中等症:AHI 15以上30未満…1時間に15〜29回の無呼吸・低呼吸が起きている状態
- 重症:AHI 30以上…1時間に30回以上の無呼吸・低呼吸が起きている状態
AHIが5以上で日中の過度の眠気などの症状がある場合、またはAHIが15以上であれば症状の有無にかかわらずSASと診断されます。
AHIの測定には、自宅で行える簡易検査と、医療機関に1泊入院して行う精密検査のポリソムノグラフィー(PSG)があります。PSG検査では脳波・心電図・呼吸・血中酸素飽和度など多くの生体信号を同時に記録し、確定診断や他の睡眠障害との鑑別に用いられます。
軽症・中等症・重症でどのように治療法が変わるのか?
SASの治療法は重症度(AHI)によって大きく異なります。軽症では生活習慣の改善やスリープスプリント(口腔内装置)が中心となり、中等症以上ではCPAP療法が第一選択となることが多いです。
軽症(AHI 5〜15未満)の治療法
軽症の場合、まず生活習慣の改善が基本となります。具体的には以下の取り組みが推奨されています。
- 体重管理(減量)…体重の10%減少でAHIが約26%減少したという報告があります。
- 禁酒・節酒…アルコールは筋肉を弛緩させ、気道閉塞を悪化させます
- 禁煙…喫煙は気道の炎症を引き起こし、症状を悪化させます
- 横向き寝の習慣化…仰向け寝は舌根が落ち込みやすく、症状が悪化しやすいです
生活習慣の改善と並行して、スリープスプリント(口腔内装置)が有効な選択肢となります。下顎を前方に保持することで気道を確保し、いびきや無呼吸を軽減します。
中等症(AHI 15〜30未満)の治療法
中等症では、生活習慣の改善だけでは不十分なことが多く、積極的な治療が必要です。主な選択肢は以下の2つです。
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)…就寝時に鼻マスクを装着し、気道に持続的に空気を送り込んで閉塞を防ぐ治療法。中等症〜重症の第一選択とされています
- スリープスプリント(口腔内装置)…CPAPが使用しにくい・合わない方の代替選択肢として有効。軽症〜中等症が適応範囲です
日本経済新聞メディカルの報告(2022年5月)によると、CPAPの保険適用患者数は厚生労働省の統計から40万人を超えており、最近3年間で約4万人ずつ増加しています。
重症(AHI 30以上)の治療法
重症の場合、CPAP療法が最も有効性が高く、世界的に第一選択とされています。無呼吸をほぼ確実に防止し、日中の眠気・集中力低下・心血管リスクの改善が期待できます。
ただし、CPAPに耐えられず治療を中断してしまう方も少なくありません。そのような方への代替治療として、2021年に日本で保険適用が開始された舌下神経電気刺激療法も注目されています(順天堂大学医学部附属順天堂医院 睡眠・呼吸障害センター)。
また、鼻閉が強い場合は鼻中隔矯正手術や鼻ポリープ摘出手術が検討されることもあります。重症例ではスリープスプリント単独では十分な効果が得られない場合があるため、医師との相談が不可欠です。
スリープスプリント(口腔内装置)はどのような治療法か?
スリープスプリント(口腔内装置)とは、就寝時に装着するマウスピース型の装置で、下顎を前方に保持することで舌根の落ち込みを防ぎ、気道を確保する治療法です。軽症〜中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に適応されます。
順天堂大学医学部附属順天堂医院の解説によると、口腔内装置は「下顎の位置を少し前方に移動した位置で保持するもの」で、「下顎が前方へ移動することにより舌根周囲の上気道のスペースが確保される」とされています。

スリープスプリントのメリット
- 電源不要で持ち運びしやすい…出張・旅行先でも使用可能
- マスクや機械がないため違和感が少ない…CPAPに比べて装着感が良い方が多い
- いびきの軽減効果…気道確保によりいびきが改善しやすい
- 保険診療での製作が可能…医科(耳鼻咽喉科・内科など)からの紹介状があれば保険適用
スリープスプリントの注意点・デメリット
- 重症例では効果が不十分なことがある…AHI 30以上の重症例には単独での使用は推奨されにくい
- 歯が少ない方・動揺歯がある方は適応外になることがある
- 装着初期に歯・顎への違和感や唾液量増加が生じることがある
- 顎関節痛や歯の移動などの副作用の可能性がある
- 保険診療には耳鼻咽喉科・医科からの紹介状が必要…紹介状なしの場合は自由診療となる
重症度に応じた治療選びを、医科と連携してサポート
軽症〜中等症では口腔内装置、中等症〜重症ではCPAPなど、状態により適した治療は異なります。当院は歯科の立場から医科と連携してご案内します。
矯正歯科専門クリニックのスリープスプリントは何が違うのか?
矯正歯科専門クリニックが製作するスリープスプリントの最大の特徴は、咬合(噛み合わせ)・顎位の専門知識を活かしたオーダーメイド対応です。患者一人ひとりの歯並びや顎の形態に合わせて厚みや形状を細かく調整します。
RYU矯正歯科クリニック郡山プレミアの院長・竜立雄先生は、1997年に奥羽大学歯学部を卒業後、大学病院にて25年にわたり専門的な診療・研究・教育に従事してきた歯学博士です。日本矯正歯科学会の指導医・認定医資格を持ち、咬合・顎位に関する深い専門知識を有しています。
矯正歯科専門医院ならではのポイントは以下の通りです。
- 咬合・顎位の専門知識による精密なフィッティング…噛み合わせの変化を継続的に管理
- 装着感・安定性を重視したオーダーメイド設計…長期間使用しやすい装置づくり
- 製作後も定期的な調整・経過観察を実施…装置の適合状態や噛み合わせの変化を確認
- 毎日のお手入れ・保管方法のサポート…継続使用をトータルでサポート
2022年6月1日に開院したRYU矯正歯科クリニック郡山プレミアは、福島県郡山市西ノ内1丁目22-13に所在し、駐車場を完備。郡山市内をはじめ、本宮市・須賀川市・田村市・二本松市など福島県内各地から来院者があります。
スリープスプリントの保険診療と自由診療の違いは?
スリープスプリントの保険診療での製作には、耳鼻咽喉科または内科など医科からの紹介状(診療情報提供書)が必要です。紹介状がない場合は自由診療での対応となります。
保険適用でのスリープスプリント製作費用は、3割負担の場合で約1〜1.5万円程度が目安とされています。また、AHI 5以上であれば口腔内装置(OA)の保険適用があります。
保険診療の流れは以下の通りです。
- 内科・耳鼻咽喉科などの医科を受診…簡易検査またはPSG検査でAHIを確認
- 医科から歯科への紹介状を取得…診療情報提供書の発行
- 歯科(矯正歯科)を受診…口腔内の状態確認・型取り・装置製作
- 装置の装着・調整…フィッティング確認・使用方法の説明
- 定期的な経過観察…噛み合わせの変化・装置の適合状態を確認
症状が続く場合や重症が疑われる場合は、耳鼻咽喉科や内科など医科での検査を受けることが推奨されています。
SASを放置するとどのようなリスクがあるのか?
SASを治療せずに放置すると、睡眠の質の低下だけでなく、深刻な合併症リスクが高まります。特に中等症以上では早期治療が重要です。
千船病院(呼吸器内科)の解説によると、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は「治療抵抗性高血圧症・早朝時高血圧症・逆流性食道炎・心房細動・2型糖尿病などとの関連が指摘されている」とされています。
主な放置リスクは以下の通りです。
- 高血圧・心血管疾患リスクの上昇…繰り返す無呼吸が血管に慢性的な負担をかける
- 2型糖尿病・代謝疾患リスクの上昇…睡眠の質低下がインスリン抵抗性に影響
- 脳卒中・心筋梗塞リスクの上昇…重症例では特にリスクが高い
- 日中の強い眠気による事故リスク…運転中・作業中の居眠りによる重大事故
- 集中力・記憶力・判断力の低下…仕事・学業・日常生活の質(QOL)の低下
日本の成人の約3人に1人がSAS予備群ともいわれるほど頻度の高い疾患であり、自覚症状がなくても検査を受けることが重要です。
RYU矯正歯科クリニック郡山プレミアへのご相談
RYU矯正歯科クリニック郡山プレミアでは、矯正歯科専門医院として培った咬合・顎位の専門知識を活かしたオーダーメイドのスリープスプリントを製作しています。院長・竜立雄先生(歯学博士・日本矯正歯科学会指導医・認定医)が、患者さま一人ひとりの歯並びや顎の形態に合わせて丁寧に対応します。
軽症〜中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方、CPAPが使いにくい・合わないとお感じの方、いびきが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。福島県郡山市西ノ内1丁目22-13、駐車場完備で福島県内各地からアクセスしやすい環境を整えています。
よくある質問
AHIとは何ですか?どうやって測定しますか?
AHI(無呼吸低呼吸指数)とは、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の合計回数を示す指標です。自宅で行える簡易検査か、医療機関に1泊入院して行うポリソムノグラフィー(PSG)検査で測定します。
軽症・中等症・重症の境界値はどこですか?
「SASの診療ガイドライン2020」では、AHI 5〜15が軽症、15〜30が中等症、30以上が重症と定義されています。AHI 5以上で日中の眠気などの症状がある場合にSASと診断されます。
スリープスプリントはどの重症度に適応しますか?
スリープスプリント(口腔内装置)は、主に軽症〜中等症(AHI 5〜30未満)の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に適応されます。重症例(AHI 30以上)では単独での使用は効果が不十分なことが多く、CPAPが推奨されます。
CPAPが合わない場合、スリープスプリントは使えますか?
はい、CPAPが使用しにくい・合わない方の補助的な治療選択肢として、スリープスプリントが推奨されます。特に軽症〜中等症の方に有効で、電源不要・持ち運びしやすい点も利点です。
スリープスプリントは保険で作れますか?
耳鼻咽喉科・内科など医科からの紹介状があれば、保険診療での製作が可能です。紹介状がない場合は自由診療となります。保険適用の場合、3割負担で約1〜1.5万円程度が目安です。
スリープスプリントの製作に歯科を受診する前に何が必要ですか?
まず内科・耳鼻咽喉科などの医科を受診し、睡眠検査(AHI測定)を受けることが必要です。保険診療での製作には医科からの紹介状(診療情報提供書)が必要となります。
スリープスプリントの副作用はありますか?
装着初期に歯や顎への違和感・唾液量増加が生じることがあります。また、長期使用により顎関節痛や歯の移動が起こる可能性があります。定期的な経過観察で早期に対応することが重要です。
SASを放置するとどうなりますか?
放置すると高血圧・心房細動・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などの合併症リスクが高まります。日中の強い眠気による交通事故リスクも上昇するため、早期治療が重要です。
矯正歯科でスリープスプリントを作るメリットは何ですか?
矯正歯科専門医は咬合(噛み合わせ)・顎位の専門知識を持ち、患者一人ひとりの歯並びや顎の形態に合わせたオーダーメイド装置を製作できます。製作後の定期的な噛み合わせ管理も受けられます。
郡山市以外からでも受診できますか?
はい、RYU矯正歯科クリニック郡山プレミアは駐車場を完備しており、本宮市・須賀川市・田村市・二本松市など福島県内各地からの来院に対応しています。お気軽にご相談ください。
結論
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度はAHIで判定し、軽症(5〜15)・中等症(15〜30)・重症(30以上)で治療法が異なります。軽症〜中等症にはスリープスプリント(口腔内装置)が有効な選択肢です。まず医科で検査を受けてAHIを確認し、軽症〜中等症と診断された場合は、咬合・顎位の専門知識を持つ矯正歯科専門医院でのオーダーメイドスリープスプリント製作をご検討ください。CPAPが合わない方にも対応可能です。
RYU矯正歯科クリニック郡山プレミア
睡眠時無呼吸症候群は、重症度に応じた治療選びが大切です。歯科的な選択肢を含めてご案内しますので、まずはご相談ください。木曜・祝日は休診です。
〒963-8022 福島県郡山市西ノ内1丁目22-13/休診日:木曜・祝日
監修医師
竜 立雄(りゅう たつお)先生

RYU矯正歯科クリニック郡山プレミア 院長/歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医・指導医
日本アンチエイジング歯科学会 認定医
日本3Dプリンティング矯正歯科学会 理事(認定医)
日本舌側矯正歯科学会 理事
東北矯正歯科学会 評議員
日本顎変形症学会、日本口蓋裂学会、日本成人矯正歯科学会、日本小児歯科学会、日本口腔筋機能療法(MFT)学会 など所属
経歴
奥羽大学歯学部 卒業
奥羽大学附属病院 矯正歯科にて25年間、診療・教育・研究に従事
論文・著書の執筆や学会発表、依頼講演多数
2022年6月 「RYU矯正歯科クリニック郡山プレミア」開院
院長メッセージ
「矯正治療は、単に歯並びを整えるだけでなく、噛み合わせや呼吸、発音、そして全身の健康にも大きな影響を与える大切な治療です。私はこれまで大学病院での臨床・研究を通じて、幅広い年齢層の患者さまと向き合ってまいりました。その経験を活かし、当院では最新のデジタル技術や精密機器を駆使しながら、一人ひとりに合った安心・安全な治療を提供しています。
お子さまの健やかな成長を支える矯正治療から、大人の方の目立ちにくい矯正治療まで、地域の皆さまに信頼いただける“かかりつけの矯正歯科”を目指してまいります。
