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マウスピース装着の違和感は本当?睡眠時無呼吸症候群治療の実態と快適に使う方法
睡眠時無呼吸症候群とマウスピース治療の基礎知識
睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、日本でも多くの方が悩んでいる疾患です。
いびきが大きい、朝起きても疲れが取れない、日中に強い眠気を感じる・・・こうした症状に心当たりがある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がることで呼吸が一時的に止まる疾患です。放置すると、生活の質の低下だけでなく、心臓や血管に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な健康リスクにつながる可能性があります。
治療法としては、CPAP(シーパップ)と呼ばれる機械を使った治療が一般的ですが、軽度から中等度の症状の方には、マウスピース(スリープスプリント)による治療も選択肢となります。
マウスピース治療の仕組みとは
マウスピース治療は、就寝時に口の中に装着する歯型の装置を使います。
下顎を上顎よりも数ミリ前方に出した状態で固定することで、舌がのどの奥に落ちづらくなり、気道が広がります。これにより、睡眠中の呼吸の流れが改善され、いびきや無呼吸の発生を防ぐ効果が期待できます。
また、マウスピースを装着することで口呼吸がしづらくなるため、鼻呼吸の習慣付けにも役立ちます。
軽度から中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対しては、比較的効果が見られやすいと言われています。
マウスピース装着時の違和感の実態
多くの方が気にされるのが、「マウスピースを装着すると違和感があるのでは?」という点です。
実際のところ、装着初期には違和感を感じる方もいらっしゃいます。
装着時に感じやすい違和感の種類
マウスピース治療では、以下のような違和感や副作用が報告されています。
- 口の乾燥・・・装着により唾液の分泌が変化することがあります
- 唾液の増加・・・異物感から一時的に唾液が増えることもあります
- 顎の違和感・痛み・・・下顎を前方に固定するため、慣れるまで顎に負担を感じる場合があります
- 歯への負担・・・長時間使用により歯に圧力がかかることがあります
ただし、これらの違和感の多くは、装着を続けることで徐々に軽減されていきます。
個人差による違和感の程度
違和感の感じ方には個人差があります。歯並びや顎の状態、口腔内の健康状態によって、装着感は大きく変わります。
特に、歯周病や虫歯がある場合、歯が上下合わせて20本程度ない場合、下の歯を上の歯より8ミリ以上前に出せない場合などは、マウスピース治療自体が適さないこともあります。
矯正歯科専門医院では、患者一人ひとりの歯並びや噛み合わせに合わせた完全オーダーメイドのマウスピースを製作することで、適合性や装着感を向上させ、長時間使用でも負担が少ないように設計しています。
マウスピース治療のメリットとデメリット
マウスピース治療には、CPAP治療と比較して独自のメリットとデメリットがあります。
マウスピース治療の主なメリット
身体への負担が少ない点が最大の特徴です。就寝時に口腔内へ装着するだけで使用でき、早い効果が期待できます。
CPAP治療に比べ、不快感を覚える患者様が少ないこともメリットの一つです。CPAPは鼻にマスクを装着し、機械から空気を送り込む必要があるため、圧迫感や騒音が気になる方もいらっしゃいます。
また、小型で持ち運びしやすいため、旅行や出張の際にも便利です。機械を装着する必要がなく、携帯性に優れています。
さらに、一度作成すると定期的な通院が不要で、丈夫なプラスチックでできているため、耐久年数はおよそ5年間とされています。必要に応じた調整やメンテナンスを行うだけで長期間使用できます。
マウスピース治療のデメリット
一方で、デメリットも理解しておく必要があります。
最も重要な点は、重症の患者様には効果が限定的であることです。CPAPと比較すると、無呼吸低呼吸指数(AHI)の改善度はやや劣ります。
複数の研究によると、マウスピース治療によってAHIは平均で約9回/時減少しますが、CPAPのほうが平均で約7回/時程度AHIを多く下げるというデータがあります。
また、歯や口腔内の健康状態によっては装着できない場合があります。歯科用インプラントを埋入した方は、埋入後数年間はマウスピースができないこともあります。
虫歯で歯の治療をした場合は、再作成の必要性があるという点も考慮が必要です。
マウスピース治療の費用と保険適用について
治療を検討する際に気になるのが、費用面です。
保険適用の条件と費用目安
2004年から、マウスピースを用いた治療に対して健康保険が適用されるようになりました。
ただし、保険適用されるのは、医科(耳鼻咽喉科・内科など)で睡眠時無呼吸症候群と診断された場合のみです。いびきの症状だけでは保険適用にならず、全額自己負担となります。
保険適用の場合、マウスピース作成にかかる自己負担金は、3割負担の方でおおよそ1万円から2万円程度です。これとは別に、検査費用や診察代などがかかります。
保険適用を受けるためには、医科での診断と紹介状の持参が必要です。紹介状がない場合は自由診療での対応となります。
自由診療の場合の費用
自費治療でマウスピースを製作する場合、費用は以下が目安となります。
- 上下顎一体型・・・4万円から6万円ほど
- 上下顎分離型・・・20万円ほど
上下顎一体型は保険適用で作成可能ですが、上下が固定されているため下顎の位置の微調整ができず、圧迫感や閉塞感を感じやすいという欠点があります。
上下顎分離型は、下顎の位置の微調整ができるため長期使用しても適切な状況で使用でき、上下分離で顎を動かせるため顎関節に負担が少なく、嚥下や咳ができるというメリットがあります。ただし、保険適用外のため製作費がやや高額になります。
医院によって金額が大きく異なるため、施術内容と併せて必ず事前に確認しましょう。
マウスピースを快適に使うための具体的な方法
違和感を軽減し、マウスピース治療を継続するためのポイントをご紹介します。
装着初期の慣らし方
最初から一晩中装着するのではなく、短時間から始めて徐々に装着時間を延ばしていく方法が効果的です。
まずは日中に30分程度装着して慣れ、その後就寝前の1時間程度装着し、最終的に一晩中装着できるようにステップを踏むと良いでしょう。
適切なメンテナンスと調整
マウスピースは毎日起床後に水で洗ってください。歯磨き剤で磨くと、中に含まれる研磨剤で傷つくことがあるので注意が必要です。
また、定期的な調整が重要です。長時間使用により顎関節に影響が出る場合もあるため、違和感が続く場合は歯科医師に相談し、マウスピースの調整を行いましょう。

横向き寝の活用
マウスピースを装着したまま横向きに寝ることで、より気道が確保されやすくなります。
仰向けで寝ると舌が重力で喉の奥に落ちやすくなりますが、横向き寝ではその影響が軽減されます。マウスピースと横向き寝を組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。
医科との連携による効果判定
マウスピース治療の効果は、個人差があります。約70%の患者様はAHIが半減以上改善し、約3割の患者様では無呼吸が完全に消失するというデータがありますが、約1/3の患者様では十分な効果が得られないケースもあります。
そのため、効果判定のための睡眠検査によるフォローアップが推奨されます。必要に応じて医科(耳鼻科・大学病院など)と連携しながら治療を進めることで、安全性を確保しながら適切な治療が受けられます。
マウスピース治療が向いている人・向いていない人
マウスピース治療は、すべての方に適しているわけではありません。
マウスピース治療が向いている人
以下のような方は、マウスピース治療が適しています。
- 軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群の方
- CPAPが合わない方・・・CPAPの圧迫感や騒音が耐えられない方
- いびきを改善したい方
- 手軽に治療を始めたい方
- 旅行や出張が多い方・・・携帯性に優れているため
マウスピース治療は装着するだけで日常生活に取り入れやすい点が特徴です。
マウスピース治療が向いていない人
一方で、以下のような方はマウスピース治療が適さない場合があります。
- 重症の睡眠時無呼吸症候群の方・・・AHIが高い場合、まずCPAPが推奨されます
- 歯周病や虫歯がある方・・・治療後に作成する必要があります
- 歯が上下合わせて20本程度ない方
- 下の歯を上の歯より8ミリ以上前に出せない方
- 歯科用インプラント埋入後数年以内の方
これらの条件に該当する場合は、歯科医師や医師とよく相談した上で治療方針を決定する必要があります。
RYU矯正歯科クリニック郡山プレミアでの睡眠時無呼吸症候群治療
福島県郡山市西ノ内にあるRYU矯正歯科クリニック郡山プレミアでは、矯正歯科専門医院としての知識と技術を活かし、睡眠時無呼吸症候群に対する歯科的アプローチを提供しています。
矯正歯科専門医院ならではの強み
同院では、患者一人ひとりの歯並びや噛み合わせに合わせた完全オーダーメイドのマウスピースを製作しています。
矯正歯科専門医院ならではの咬合知識を活かした設計により、噛み合わせを考慮した設計、適合性・装着感の向上、長時間使用でも負担が少ないという点を実現しています。
院長は、奥羽大学歯学部卒業後、大学病院にて25年にわたり専門的で高度な診療と研究、教育を行い、矯正歯科分野での研鑽を積んでいます。日本矯正歯科学会指導医・認定医として、論文や著書、依頼講演や学会発表も多数あり、過去には発表論文で複数受賞しています。
医科連携による安心の治療体制
同院では、必要に応じて医科(耳鼻科・大学病院など)と連携しながら治療を進めています。これにより、安全性を確保しながら適切な治療が受けられます。
保険適用の条件として、医科での診断と紹介状の持参が必要ですが、紹介状がない場合でも自由診療での対応が可能です。
幅広い口腔トラブルへの対応
睡眠時無呼吸症候群以外にも、マウスピースを活用した治療に対応しており、ナイトガード(歯ぎしり・食いしばり)、顎関節症治療、スポーツマウスガードなど、複数の口腔トラブルに対応可能です。
2022年6月1日に治療技術はもちろんホスピタリティも重視したRYU矯正歯科クリニック郡山プレミアを開院し、患者様の歯並び・年齢・治療の希望内容など様々な条件によって治療方法を提案しています。
まとめ:マウスピース治療で快適な睡眠を取り戻す
睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療は、装着初期には違和感を感じる方もいらっしゃいますが、多くの場合、徐々に慣れていきます。
軽度から中等度の症状の方には、CPAPと同等レベルの眠気改善効果が期待でき、身体への負担が少なく、携帯性に優れているというメリットがあります。
ただし、重症の方には効果が限定的であり、歯や口腔内の健康状態によっては装着できない場合もあるため、医師や歯科医師とよく相談することが重要です。
保険適用の条件を満たせば、1万円から2万円程度の自己負担で作成できるため、経済的な負担も比較的少なく始められます。
福島県郡山市でいびきや無呼吸、日中の強い眠気にお悩みの方は、RYU矯正歯科クリニック郡山プレミアにご相談ください。矯正歯科専門医院ならではの知識と技術を活かした、完全オーダーメイドのマウスピース治療で、快適な睡眠を取り戻すサポートをいたします。
まずはカウンセリングで、症状に合った適切な治療方法を一緒に見つけていきましょう。
監修医師
竜 立雄(りゅう たつお)先生

RYU矯正歯科クリニック郡山プレミア 院長/歯学博士
日本矯正歯科学会 認定医・指導医
日本アンチエイジング歯科学会 認定医
日本3Dプリンティング矯正歯科学会 理事(認定医)
日本舌側矯正歯科学会 理事
東北矯正歯科学会 評議員
日本顎変形症学会、日本口蓋裂学会、日本成人矯正歯科学会、日本小児歯科学会、日本口腔筋機能療法(MFT)学会 など所属
経歴
奥羽大学歯学部 卒業
奥羽大学附属病院 矯正歯科にて25年間、診療・教育・研究に従事
論文・著書の執筆や学会発表、依頼講演多数
2022年6月 「RYU矯正歯科クリニック郡山プレミア」開院
院長メッセージ
「矯正治療は、単に歯並びを整えるだけでなく、噛み合わせや呼吸、発音、そして全身の健康にも大きな影響を与える大切な治療です。私はこれまで大学病院での臨床・研究を通じて、幅広い年齢層の患者さまと向き合ってまいりました。その経験を活かし、当院では最新のデジタル技術や精密機器を駆使しながら、一人ひとりに合った安心・安全な治療を提供しています。
お子さまの健やかな成長を支える矯正治療から、大人の方の目立ちにくい矯正治療まで、地域の皆さまに信頼いただける“かかりつけの矯正歯科”を目指してまいります。
